目が良くなる方法とは?
「深い呼吸をしていると目の働きがよくなって、眼精疲労やドライアイはもちろん、視力もよくなってくるんですよ」原久子(原アカデミー代表・鍼灸師)
こう言うと、たいていのかたはびっくりされます。「呼吸と視力と、いったいどんな関係があるの?」という感じが見て取れます。
「深い呼吸をしていると目の働きがよくなって、眼精疲労やドライアイはもちろん、視力もよくなってくるんですよ」こう言うと、たいていのかたはびっくりされます。なぜ、深い呼吸である視力回復呼吸をすると、視力が上がるのでしょうか。この疑問を解くカギは、血流が握っています。
ゆっくり呼吸を約15分程度、繰り返すだけで、視力が回復するのだとか。「呼吸するだけで?」とびっくりされるかたも多いそうです。
しかし、呼吸法で「目の回りの血流がよくなる」と聞くと、納得できるひとも多いはず。視力も、筋肉の働きで保たれているからですね。
深い呼吸である視力回復呼吸をすると、視力が上がるのだそうです。この問題を解くカギは、血流が握っているとの事。眼球の構造を見ながら考えていきましょう。
目の構造は、よくカメラにたとえられます。外部からの光は角膜を通って、水晶体(カメラでいえばレンズに相当する)で屈折し、フィルムに相当する網膜に像を結びます。水晶体の表面にはカメラでいう絞りに当たる虹彩があり、瞳孔を大きくしたり小さくしたりして、目に入る光の量を調節しています。
網膜に写った像は、視神経を介して大脳に伝わり、初めてそこで「ものが見える」と認識できるのです。
人間の体(命の営み)というのは、ほんとうに一体のものなんですね。
私たちの体の機能は、すべてが密接につながり、影響し合い、助け合っています。
呼吸と目の働きもまた同じです。確かに、一見するとなんの関係もないようにも見えますが、呼吸は目の機能にもとても大きな影響を及ぼしているようです。
下腹部のおへその下には、「丹田」と呼ばれる、精気が集まり、気力を充実させるとされる場所があります。
よく武道(空手・柔道・合気道)では、この「丹田」を意識して、呼吸をするように促します。
この丹田を意識して行う「視力回復呼吸」を基本に、 時間は、トータル約3時間ほどですが、終わった後に再び視力を計ると、ほとんどのかたが0・1〜0・3上がり、なかには0・6〜0・8も上がっているかたもいます。
こうした、一連の目の機能を正常に保っていくうえで、重要な役割を担っているのが筋肉です。まず、水晶体の「厚さの調整」(ピント調整)をしているのが、毛様体筋という筋肉です。
この筋肉が収縮・弛緩することで、水晶体がふくらんだり、しぼんだりするのです。筋肉が元気に働いていれば、正常な視力が保たれますが、逆に加齢や疲れなどでその筋肉の働きが悪くなってくると、視力も低下してくるのです。
視力回復呼吸で心身もリラックス
血流が悪くなるというのは、どういう状態を言うのでしょうか。
それは、1つは、血管が縮んで、血液の通り道が狭くなってしまうことと、もう1つは、血液自体が、脂肪や老廃物などでドロドロになって、流れにくくなってしまうことです。
視力回復呼吸は、この両面から、目の血流の改善にアプローチします。なぜなら、血流が悪くなる原因のおおもとである、ストレスを緩和するからです。
ちなみに、通常、私たちが行っている呼吸回数は、1分間に16〜17回ですが、視力回復呼吸を続けているとだんだん少なくなり、やがて1分間に6〜7回、慣れてくると3回ぐらいにまでなる
ようです。
回数が減って深い呼吸になるぶん1回で摂取する新鮮な酸素の量は、5倍・6倍にもなると考えられ、それだけ心身のリラックスも効果的に進むとの事。
丹田を意識しながら15分程度行うだけ
以下は原久子(原アカデミー代表・鍼灸師)の視力回復呼吸法からの引用です。
【解説】原久子(原アカデミー代表・鍼灸師)
それでは、視力回復呼吸の具体的なやり方をご紹介しましょう。
視力回復呼吸の基本は、前述したように、東洋医学でいう丹田を使った呼吸法になります。まず、丹田の位置を探しましょう。
視力回復呼吸を実践するときは、意識が丹田に集中するように、その部分に両手を当てて行うようにしましょう。
立って行ってもよいですが、いすに浅く腰かけると全身がよりリラックスするので、お勧めです。このとき、両足はこぶし1つ〜1つ半ほど開き、平行にそろえます。
最後のひと呼吸ぶん残っているところで、両ひざとヒップを締め、ヒップを後ろに引きます。丹田がグッと引っ込むのを意識してください。
次に、ヒップを緩めると同時に上体も一気に脱力します。すると、息は自然に入ってきますので、後は上体をゆっくり起こし、元の姿勢に戻ります。これでひと呼吸です。
「目がよく見える」状態をイメージしながら、100回を目安に行ってください。100回というと大変そうですが、実際やってみると、15分間程度でできると思います。
最初はスムーズにいかないかもしれません。特に腹筋の弱い人は、丹田の引っ込ませ方が思うようにいかないものです。
でも、焦りは禁物。繰り返し行っていれば、必ずきちんとできるようになります。また、少々ぎこちなくても、実践していれば、それだけの効果は確実に出ます。
実は、私自身がその体験者の1人なのです。
子どもの頃からの虚弱体質をなんとか改善したいと思った私は、いろいろな方法を試しました。
その結果、私に最も合っていたのがこの呼吸法だったのです。その後、呼吸法を本格的に学び始めたのは、20代後半でした。
丹田を意識する呼吸法を3年ほど続けたところ、0.01だった視力がグングンよくなって、最終的には1.0まで回復したのです。